開発の準備をしよう!
Webアプリ開発を始めるには、まず開発に必要なツールを整えることが大切です。
この章では、初心者でもスムーズに準備を進められるよう、手順を丁寧に解説していきます。
🎯 この章の目標
- Webアプリ開発に必要なツール(VS Code、Gitなど)を自分のパソコンにインストールできるようになる
- それぞれのツールがどんな役割を持っているのか、基本的な使い方を理解する
Kinova編集部
目次
1 開発環境とは?
「開発環境」とは、プログラムを書く、動かす、そしてその動作を確認・修正するために必要なツールやソフトウェアのセットのことです。
例えば、文字を打つためのコードエディタ、Webページの動きを確認するブラウザ、プログラムを実行するための仕組み(実行環境)、変更を記録する履歴管理ツールなどが含まれます。
これらを自分のパソコンに整えておくことで、エラーの発見や修正がスムーズになったり、チームでの作業が効率的になったりします。
最初は必要最低限のツールから始めて、開発に慣れてきたら少しずつツールを追加していくと良いでしょう。
🛠️ Webアプリ開発に必要なもの
📝 コードエディタ
プログラムコードを書くための専用エディタ。メモ帳でも書けますが、コードエディタを使うと色分けされて見やすくなったり、入力補完機能があったりして便利です。
🌐 Webブラウザ
Webページを表示するためのソフトウェア。開発者ツールという機能を使って、作ったページの動作確認ができます。
⚙️ Node.js
JavaScriptをパソコンの中で動かすための実行環境。 JavaScriptは元々ブラウザの中でしか動かなかったのですが、Node.jsを使うとパソコンの中でも動かせるようになります。これにより、より本格的なWebアプリが作れるようになりました。
🔄 Git
プログラムの変更履歴を管理するためのツール。「プログラムの作業履歴ノート」のようなものです。完成したプログラムを記録しておけば、間違えて消してしまっても元に戻すことができます。
なぜ開発環境が重要なの?
- ✓ 効率的にコードを書くことができる
- ✓ エラーを早期に発見できる
- ✓ チームでの共同作業がスムーズになる
- ✓ コードの品質を維持しやすくなる
初心者のうちは、シンプルな環境から始めて、徐々に必要なツールを追加していくとよいでしょう。
2 Visual Studio Code(VS Code)をインストールしよう
Visual Studio Code(通称:VS
Code)は、Microsoftが提供している無料のコードエディタです。
プログラミングに必要な機能が豊富に揃っており、初心者でも扱いやすく、プロの現場でも幅広く使われているツールです。
HTMLやCSS、JavaScriptといったWebアプリ開発に必要な言語はもちろん、PythonやC++など他の言語にも対応しており、拡張機能を追加することで、自分の使いやすい環境にカスタマイズできるのが特徴です。
このセクションでは、VS Codeをあなたのパソコンにインストールし、基本的な使い方や便利な拡張機能について解説していきます。
💻 VS Codeのインストール手順
- 1
公式サイトにアクセス
https://code.visualstudio.com/ にアクセスします。
トップページに表示されている「Download for Windows/Mac/Linux」ボタンをクリックします。
- 2
インストーラーをダウンロード
お使いのOSに合わせたインストーラーがダウンロードされます。
Windowsの場合は「.exe」ファイル、Macの場合は「.dmg」ファイルがダウンロードされます。
- 3
インストーラーを実行
ダウンロードしたインストーラーをダブルクリックして実行します。
基本的には、画面の指示に従って「次へ」をクリックしていくだけでOKです。
- 4
インストール完了
インストールが完了したら、VS Codeを起動してみましょう。
初回起動時に、いくつかの設定画面が表示されることがありますが、基本的にはデフォルトのままで問題ありません。
🔌 おすすめの拡張機能
VS Codeは、拡張機能(Extensions)をインストールすることで、機能を追加できます。 Webアプリ開発に役立つ拡張機能をいくつか紹介します。
Live Server
HTMLファイルをリアルタイムでプレビューできる拡張機能。ファイルを保存すると自動的にブラウザが更新されます。
Prettier
コードを自動的に整形してくれる拡張機能。コードの見た目を統一し、読みやすくします。
ESLint
JavaScriptのコードを分析し、問題点を指摘してくれる拡張機能。バグの早期発見に役立ちます。
Auto Rename Tag
HTMLタグの名前を変更すると、対応する閉じタグも自動的に変更してくれる拡張機能。
拡張機能のインストール方法
- 1. VS Codeの左側のメニューから「Extensions」アイコン(四角が4つ並んだアイコン)をクリックします。
- 2. 検索ボックスに拡張機能の名前を入力します。
- 3. 目的の拡張機能が表示されたら、「Install」ボタンをクリックします。
- 4. インストール完了後、必要に応じてVS Codeを再起動します。
基本的な機能から少しずつ慣れていき、必要に応じて拡張機能を追加していくとよいでしょう。
3 完成サンプルをLive Serverで起動してみよう
この講座で作っていく「Kinova
Cafe」のWebページが、どのようなものになるのか、先に体験してみましょう。
下記の3つのファイルを作成し、index.html を Live Serverで起動することで、完成イメージを自分のブラウザで動かすことができます。
📁 ステップ1:プロジェクトフォルダを作ろう
まず、わかりやすい場所に kinova-cafe-sample という名前のフォルダを作成しましょう。
この中に、すべてのファイルを入れていきます。
📝 ステップ2:ファイルを作成しよう
以下の3つのファイルを作成し、それぞれにこのあと紹介するコードをコピーしてください
index.html:Webページの本体style.css:ページの見た目を整えるファイル-
script.js:ページに動きを加えるJavaScriptファイル
VS Codeのエクスプローラーから新規ファイルとして作成しましょう。
📄 index.html
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8" />
<title>Kinova Cafe</title>
<link rel="stylesheet" href="style.css" />
</head>
<body>
<button id="toggleDarkMode">🌙 ダークモード</button>
<header>
<h1>Kinova Cafe</h1>
<p>心と体を癒す、あなたの街のカフェ</p>
</header>
<section class="hero">
<img src="https://images.unsplash.com/photo-1509042239860-f550ce710b93?auto=format&fit=crop&w=1350&q=80" alt="カフェの雰囲気" />
</section>
<section class="menu">
<h2>Menu</h2>
<ul id="menuList">
<li>☕ ブレンドコーヒー <button class="favorite">♡</button></li>
<li>🍰 手作りチーズケーキ <button class="favorite">♡</button></li>
<li>🥪 こだわりのサンドイッチ <button class="favorite">♡</button></li>
</ul>
<button id="recommendBtn">今日のおすすめに変更</button>
<p id="menuDescription" class="menu-description"></p>
</section>
<footer>
<p>© 2025 Kinova Cafe. All rights reserved.</p>
</footer>
<script src="script.js"></script>
</body>
</html> 🎨 style.css
body {
background-color: #f9f7f4;
font-family: 'Helvetica Neue', sans-serif;
}
header {
text-align: center;
background-color: #fff;
padding: 2rem;
}
header h1 {
font-size: 2.5rem;
color: #7b4e2d;
margin-bottom: 0.5rem;
}
header p {
font-size: 1.2rem;
color: #555;
}
.hero img {
width: 100%;
max-height: 400px;
object-fit: cover;
object-position: center 75%;
display: block;
}
.menu {
padding: 3rem 1rem;
text-align: center;
}
.menu ul {
list-style: none;
font-size: 1.3rem;
line-height: 2;
padding: 0;
}
.favorite {
margin-left: 1rem;
font-size: 1.4rem;
border: none;
background: none;
cursor: pointer;
color: #bbb;
}
.favorite.active {
color: crimson;
}
footer {
background-color: #ecebe4;
text-align: center;
font-size: 0.9rem;
padding: 2rem 1rem;
}
#toggleDarkMode {
position: fixed;
top: 1rem;
right: 1rem;
padding: 0.5rem 1rem;
background-color: #333;
color: white;
border: none;
border-radius: 20px;
cursor: pointer;
}
.dark-mode {
background-color: #1a1a1a;
color: #e0e0e0;
}
.dark-mode header {
background-color: #333;
}
.dark-mode footer {
background-color: #2a2a2a;
}
.dark-mode .menu-description {
color: #ddd;
} ⚙️ script.js
function attachClickEvents() {
const items = document.querySelectorAll("#menuList li");
const desc = document.getElementById("menuDescription");
items.forEach((item) => {
item.addEventListener("click", () => {
const name = item.textContent;
let message = "";
if (name.includes("☕ ブレンドコーヒー")) {
message = "こだわりの豆を使った香り高いブレンドコーヒーです。";
} else if (name.includes("🍰 手作りチーズケーキ")) {
message = "甘さ控えめでコーヒーと相性抜群の手作りチーズケーキ。";
} else if (name.includes("🥪 こだわりのサンドイッチ")) {
message = "旬の野菜と自家製パンのサンドイッチ。";
} else if (name.includes("🍛 ほっこりカレーライス")) {
message = "スパイス香るまろやかカレー。ランチにぴったり!";
} else if (name.includes("🍮 自家製プリン")) {
message = "とろける食感が人気の自家製プリン。";
} else if (name.includes("🥤 季節のスムージー")) {
message = "季節のフルーツを使ったさっぱりスムージー。";
}
desc.textContent = message;
});
});
}
function attachFavoriteEvents() {
const favButtons = document.querySelectorAll(".favorite");
favButtons.forEach((btn) => {
btn.addEventListener("click", () => {
if (btn.textContent == "♡") {
btn.textContent = "♥";
btn.classList.add("active");
} else {
btn.textContent = "♡";
btn.classList.remove("active");
}
});
});
}
document.getElementById("recommendBtn").addEventListener("click", function () {
const menuList = document.getElementById("menuList");
menuList.innerHTML =
`<li>🍛 ほっこりカレーライス <button class="favorite">♡</button></li>
<li>🍮 自家製プリン <button class="favorite">♡</button></li>
<li>🥤 季節のスムージー <button class="favorite">♡</button></li>`;
attachClickEvents();
attachFavoriteEvents();
});
document.getElementById("toggleDarkMode").addEventListener("click", () => {
document.body.classList.toggle("dark-mode");
});
attachClickEvents();
attachFavoriteEvents(); 🚀 ステップ3:Live Serverで開いてみよう
index.html を右クリックして 「Open with Live Server」 を選んでください。
ブラウザが開き、作成したページが表示されます。
ボタンを押したり、♡マークを♥に切り替えたり、ダークモードを試したりして、動作を体験してみましょう!
💡ヒント
Live Serverが動作しない場合は、右下にある「Go
Live」ボタンがアクティブになっているか確認してください。
また、拡張機能がインストールされているかも見てみましょう。
4 Gitをインストールしよう
プログラミングをしていると、間違ってファイルを削除してしまったり、 以前のバージョンに戻したくなったりすることがあります。 そんなときに活躍するのが、「Git(ギット)」というツールです。
Gitは、プログラムの変更履歴を記録・管理できる仕組みで、 いわば「作業ノート」のような役割を果たします。 誰が、いつ、どこを変更したのかが記録されるので、 複数人での開発や、過去の状態への復元もスムーズに行えます。
また、Gitと組み合わせてよく使われるのが、 「GitHub(ギットハブ)」というオンラインサービスです。 Gitで記録した履歴をインターネット上に保存したり、他の人と共有・共同作業したりできるようになります。
このセクションでは、Gitの基本的な役割と使い方を学びながら、 あなたの開発環境にGitをインストールし、簡単な操作を体験していきます。 初めて触れる人でも、無理なく取り組めるよう丁寧に説明しますので、ご安心ください。
GitとGitHubの関係
💻 Git(自分のパソコン)
作ったプログラムの履歴を管理するツール
- 変更を記録できる
- 前の状態に戻せる
- いつ何を変えたかがわかる
☁️ GitHub(インターネット上の保管場所)
Gitで記録した内容を、インターネット上に保存できるサービス
- パソコンが壊れてもデータを残せる
- 他の人とプログラムを共有できる
- 自分の作品を公開して見せられる
Gitは、あなたのパソコンの中でプログラムの変更を記録してくれるツールです。
そしてGitHubは、その記録をインターネット上に保存してくれる場所です。
この2つを組み合わせることで、「書いたプログラムを安全に残し、他の人と共有できる」ようになります。
🔄 Gitをもっと詳しく
Gitがないとどんな問題が起きる?
- 😱 間違えてファイルを消してしまった時に戻せない
- 😰 以前の動いていたバージョンに戻れない
- 😨 誰がいつどこを変更したのか分からない
- 😱 パソコンが壊れたらプログラムが消えてしまう
Gitを使うと...
- ✨ 変更履歴が残るので、いつでも前の状態に戻せる
- ✨ 誰がいつどこを変更したのか分かる
- ✨ GitHubを使えば、クラウドにバックアップできる
GitとGitHubの違い
Git
パソコンの中で動く「変更履歴を記録するツール」です。 Word文書の変更履歴のようなものですが、プログラム用により便利な機能が付いています。
GitHub
Gitで記録した変更履歴をインターネット上に保存できるサービスです。 Googleドライブのようなもので、プログラムのバックアップや共有ができます。
実際の使用例
例えば、新しい機能を追加する時:
- 1. まず、現在の状態を保存(コミット)します
- 2. 新しい機能を追加します
- 3. うまくいかなかったら、保存した状態に戻れます
- 4. うまくいったら、また新しい状態を保存します
📥 Gitのインストールと基本的な使い方
インストール手順
- 1
https://git-scm.com/downloads にアクセスし、お使いのOSに合わせたインストーラーをダウンロードします。
- 2
ダウンロードしたインストーラーを実行し、基本的には初期設定のまま「次へ」をクリックしていきます。
Windowsの場合、「Git Bashを含める」オプションを選択しておくと便利です。
- 3
インストールが完了したら、コマンドプロンプト(Windows)またはターミナル(Mac/Linux)を開いて、以下のコマンドを実行してみましょう:
git --versionバージョン番号が表示されれば、インストールは成功です!
プログラムの変更履歴を管理できるようになります。また、VS Codeには便利なGit連携機能があり、
画面上でGitを操作することもできます。
5 GitHubアカウントを作成しよう
GitHub(ギットハブ)は、プログラムの履歴をインターネット上に保存し、他の人と共有できるサービスです。
自分が書いたコードを安全に保管したり、世界中の開発者と協力してプロジェクトを進めたりできるため、プログラミングを学ぶ上でとても重要なツールです。
GitHubを使うには、まずアカウントを作成する必要があります。
🌐 GitHubアカウント作成の手順
- 1 GitHub公式サイトにアクセスします。
- 2 画面右上の「Sign up(サインアップ)」ボタンをクリックします。
- 3 メールアドレス、ユーザー名、パスワードを入力し、「Create account」をクリックします。
- 4 メールに届いた確認コードを入力し、本人確認を完了します。
- 5 その後の質問(使用目的や機能の選択)はスキップしても問題ありません。
アカウントが作成できたら、今後は自分専用のページ(プロフィール)にアクセスできるようになります。 作ったプログラムを公開したり、他の人のコードを見たりする第一歩として、まずはアカウントを準備しておきましょう。
📌 補足:
今後この講座で出題される課題は、作成したプログラムを
GitHubにアップロードして提出していただく形になります。
6 GitHubでリポジトリを作成して、コードを管理しよう
GitHubに作成したアカウントを使って、コードを保存・共有するための「リポジトリ」を作りましょう。
リポジトリは、あなたのプログラムをまとめて管理する場所です。ここでは、GitHubでリポジトリを作成し、パソコンにクローンし、ファイルを追加してアップロードする一連の手順を学びます。
📂 リポジトリ作成からコードアップロードまでの手順
- 1 GitHubにログインし、右上の「+」→「New repository」をクリックします。
- 2
リポジトリ名に
my-taskと入力し、「Create repository」をクリックします。 - 3
表示されたURL(例:
https://github.com/あなたのユーザー名/my-task.git)をコピーし、ターミナルで次のコマンドを実行してクローンします:
git clone https://github.com/あなたのユーザー名/my-task.git - 4
フォルダに移動し、新しいフォルダとファイルを作成します:
cd my-task
mkdir section1
echo "Hello World" > section1/test.txt - 5
Gitで変更を記録し、コメントを付けて保存します:
git add .
git commit -m "section1/test.txt を追加" - 6
最後にGitHubにアップロードします:
git push origin main
GitとGitHubを使った作業の流れ
GitHubでリポジトリを作成
GitHub上で、コードを保存するための新しいリポジトリ(プロジェクトの保管場所)を作成します。
リポジトリをパソコンにクローン
クローンとは、GitHubにあるリポジトリをそのまま自分のパソコンにコピーしてくる操作です。
フォルダとファイルを作成
パソコン上で、section1フォルダとtest.txtファイルを作成し、「Hello World」と入力します。
変更をGitに記録する
追加したファイルをGitに登録(add)し、コメントをつけて保存(commit)します。
GitHubに変更をアップロード
記録した変更をGitHubにアップロード(push)し、インターネット上に保存します。
📘 Gitの基本的な使い方
🔹 最初の設定
Gitをインストールしたら、最初に自分の名前とメールアドレスを設定します。
これによって、誰が変更したのかが履歴に記録されます。
git config --global user.email "あなたのメールアドレス"
🔹 変更を記録する
ファイルの変更を記録するには、まず「追加(add)」してから「保存(commit)」します。
git commit -m "最初のコミット"
変更内容に名前(コメント)をつけて記録できます。
🔹 変更履歴を確認する
これまでに記録された変更履歴を確認することができます。
🔹 変更状態を確認する
まだ記録されていない変更があるか、Gitが現在どんな状態かを確認します。
まとめ:準備が整いました
VSCODEと拡張機能がインストールできましたね。 次の章では実際にHTML/CSSを用いてページを作っていきます。
今回学んだこと
- ✓ 開発環境とは何か、なぜ必要なのか
- ✓ VS Code(コードエディタ)と拡張機能のインストール
- ✓ Gitを使ったコード管理の基本